オーケストラ団員

"近年のクラシックブームで、一躍メジャーになりつつあるオーケストラ団員という職業。ベートーヴェン、モーツァルト……。作曲家たちの楽曲をその技術によって表現し、団員個々の演奏が集まってオーケストラとしてひとつの音楽となり、観衆に感動をあたえる……。オーケストラ団員の仕事は魅力に満ちあふれています。

さて、そのようなオーケストラ団員になる方法ですが、その道のりは決して平坦なものではありません。音楽大学に入学し、そして卒業したとしても、プロの団員となって活動できるのはほんのひと握り。プロによるオーケストラの団員募集の門戸は、けっして広いとはいえないのです。そして、プロになれたとしても、その職業に安穏としていられるわけではありません。より高い技術を求めて海外に留学したりする人も多く、またたゆまぬ練習も欠かせません。日々の研鑽が求められる職業です。

また、日本におけるプロのオーケストラの多くが、財政赤字。つまり、オーケストラのコンサートに出演するだけでは、収入面で生活を安定させるのは難しいでしょう。そのような理由から、オーケストラ団員には個人で音楽教室を開いていたり、また各地におもむいて独自に演奏会を開催したりして生計のたしとしている人も多いという現状があります。あるいは、アマチュアのオーケストラにエキストラなどで出演したり、トレーナーとしてレッスンに出向いている人も少なくありません。

このように、オーケストラ団員になるには、あるいはなった後も、けっして楽な道であるとはいえません。しかし、音楽というひとつの分野をつきつめて追求を重ね、オーケストラとしてひとつの芸術を作りあげた時の感動は、自分たちだけではなく会場全体をも包みこみます。音楽にたずさわれる喜び、ひとつの芸術を作りあげる喜び、観衆に感動をあたえる喜び……。オーケストラ団員はそのような喜びに満ちあふれています。オーケストラ団員は、まさに感動を体感できる職業であるといえるでしょう。